京都に咲くジャスミン

京都市動物園のジャスミンのお話ですよ。

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先日、めでたく初の子どもを出産したジャスミン。
お父さんは、一つ年下のウーロン。

ジャスミンとウーロンは、昨年の3月に中国からやってきたレッサーパンダです。
中国といえばパンダ、というイメージであり、もちろんジャイアントもレッサーパンダも野生が存在する地ではありますが、中国から日本にレッサーパンダがやってくるのは10年ぶりのことでした。

京都市動物園は歴史の長い動物園であり、レッサーパンダもかなり早い時期に中国から導入していました。
ですが、当時導入したペアが子どもを産んで以来、京都市動物園ではレッサーパンダの出産が30年近くストップしていました。

そんな中で京都市にやってきたウーロンとジャスミン。2匹の責任と周りの期待はとても大きいものだったのです。


そんな事情など当時はほとんど知らず、私はジャスミンとウーロンに会いに行きました。昨年の10月初めのことでした。

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初めて会った、海外生まれのレッサーパンダ。こちらはウーロンです。
なかなかのイケメンで、行動もクールに見えました。実際はそんなことなかったのですが^_^;
ウーロンはしっぽがとても美しいのです。
ウーロンは元気でよく動いていたので、20分ほど見てしまいました。

お隣を見ると、レッサーパンダの放飼場がもうひとつ!
つい小走りになってしまう私でした。

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そして、ジャスミンとの初対面。
最初の印象は「なんじゃこの子!」
ウーロンも元気なのですが、ジャスミンは比じゃありませんでした。
常同行動の一つなのでしょうが、窓ガラスに鼻をつけたままくるんと円を書くのです。しかも往復して。
よーく見ると…鼻文字(笑)を書きつつ、ニンゲンの方を見ているのです!
まるで挨拶をしてくれているかのようでした。

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なんと言っても、ジャスミンの笑顔がたまらなく可愛いのです。
愛想がこんなにいいレッサーパンダがいるものなんだなぁと衝撃を受けました。

もちろん、窓ガラスだけでなく放飼場の中もたくさん歩いていましたよ。外の通路を歩けば子どもが湧き、メタセコイアの木に登れば遠くの人が可愛いと絶賛、窓ガラスに行けばファミリーを笑顔にさせる。
ジャスミンはすでに京都市のアイドルでした。
そして私もこの日、ジャスミンファンになったのです(^ ^)


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たった7ヶ月でここまで馴染んだジャスミン。
ここからは私事になりますが、私は大学の卒業研究の関係で、この当時京都に滞在中でした。
9月30日、京都での生活が始まり、その次の日から某大学の研究センターで実験実験また実験…の日々。
最初の一週間はかなり辛いものでした。
自分の知識のなさ、手腕の未熟さ、言語能力の無さ(基本言語が英語でした)、初めて会う人ばかりの環境…たった一週間でかなり疲弊したことを覚えています。

ジャスミンとの出会いは、そんな修羅場の中でありました。
遠い地に来て不安もあったであろうジャスミンとウーロン。
彼らの姿にとても励まされたのです。

そして、この子達のためにも、レッサーパンダ全員のためにも実験を頑張ろう!というモチベーションにもなりました。



京都滞在終了後も、そして卒業後もたまに、京都に訪れています。
とても癒されるのです。

いろんなことに疲れたら、ぜひとも京都市動物園に行ってみてください。
おじいちゃんの茶々、はんなり美形の古都、イケメン食いしん坊ウーロンが、そして秋になったら、きっと小さな子どもたちとジャスミンが皆さんを迎えてくれますよ。

日本平動物園の「おチビ」ちゃん その3

シー&ミホのお話の続きです。


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仲のいい親子はいつも一緒にいました。
ミホが小さくて弱々しいときは、シーちゃんが見守ったり、首をくわえてどこか安全なところに連れて行ったり。守ろうとした気持ちのためかはわかりませんが、放飼場内に入ってきた飼育員さんに後ろから飛びついて噛み付いたこともありました(ミホはかーちゃんの姿にビビってひっくり返っていました^_^;)。

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リンゴが食べれるようになり、ミホが活発になってくると、シーちゃんも成長に合わせてミホともちゃもちゃ遊ぶようになりました。
シーちゃんも遊び好きなのでよく1人で滑り台をやったり、双子の妹のミウがいたときはミウと格闘したりしていました。ですが、ミホと遊ぶときはちゃんと力加減がわかっているというか、ミホの成長や状態に合わせて攻撃の強さを変えているというか、とにかくミホの相手が上手なのです。
ミホが遊ばないときはシーちゃんが1人でひっくり返って遊びに誘うことも。
ちゃんとミホのことを見ているシーちゃんでした。

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ご飯のときも一緒です。
シーちゃんは双子のミウといたときはエサの取り合いをすることもあったようですが(笑)、ミホに対しては絶対にしませんでした。
ミホが食べて…

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シーちゃんが食べる。
ミホ「リンゴおいちー!」

リンゴを食べるようになって一週間ほどのミホ。とてもいい顔をするようになりました。
食事風景は穏やかで、見ていてとても幸せでした。

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2匹の親子わけは、2月に入った頃でした。いつものように遊びに行くと、

飼育員さん「また来たのか!」
わたなべ「帰れって言われても帰りませんよ!!あ、リンゴタイム終わったら帰りますが」
飼育員さん「そうかぁ…実は今日午後に親子わけをする予定だったんだけど」
わたなべ「マジすか」
飼育員さん「午前中にやっちゃうか、リンゴタイムのときにな」

という流れで、シー&ミホ親子の親子わけは私のせいで前倒しになりました。
ごめんシー&ミホ。


リンゴにつられてタクの放飼場に行くシーちゃん。
リンゴに夢中なミホは気づきません。
一年ぶりに再会した夫婦もリンゴに夢中で気がつきません。笑

…が。
リンゴを食べ終わったタクが横をちらり。シーちゃんがいます。
驚いた様子はありませんでしたが、そのままシーちゃんに襲いかかり、噛み付いてしまいました。
シーちゃんはかなり驚き、伏せた姿勢のままタクのことをずっと見ていました。

スミレがシュウシュウを見つめる可愛らしい視線とは全く違います。
「なにアイツ〜」と怖がっているような、怪しむようなそんな感じでした。
飼育員さんに伝えると、タクに軽く説教をし、シーちゃんを励ましていました。

一方のミホは…
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シーちゃんのことは気にならないのか、1人でのびのび過ごしていました。
まだ2キロ台の小さなミホ、意外と強いのかな〜とそのときは思いました。

ですが、後日訪問すると…
タクシー夫妻が室内、ミホが外にいたのですが、外と中の仕切りの辺りでシーちゃんがずっとウロウロしていました。
室内は音楽やお客さんの声で何も聞こえなかったのですが、外に出ると、戸を一枚挟んだ向こうでミホが鳴いていました。
寂しそうな声でピーピー鳴くミホ。
気になり、心配になるシーちゃん。
ドア越しにミホがシーの存在に気づくため、ミホをなるべく外の遠い方に、シーを室内にと分けていましたが、これは冬中続きました。

室内ではなかなか仲が良くならないタクシー夫妻、すぐ外には絶賛片思い中のスミレと寝ているシュウシュウ、遠くにはミホがひとり。
ペアリング中はずっとこの状態でした。
飼育員さんもミホがあまりに鳴くのが不憫だったようで、何度かシーちゃんと一緒にさせたそう。

そのうちミホもひとりに慣れ、精神的にも成長していきました。

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しばらくしてから会いに行ったミホは、かなり大きく、というか、胴がのびていました。

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よく遊ぶようにもなりました。
お腹を上にしてひっくり返って遊ぶ姿は、シーちゃんにとてもよく似ていました。

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リンゴを食べるときのドヤ顔も、すごく上手になりました。この一切れのために生きてる、という感じが伝わってきて素晴らしい。

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最新のミホはこちら。
なんだか顔つきも毛色も変わったような(笑)
ピカピカツヤツヤ、美形なお母さんと可愛いお父さんのいいところを引き継いだ娘になりました。


ミホの成長を見守ってきた7ヶ月。
とても楽しい期間でありました。
そんなミホももうすぐ一歳、おそらく弟か妹もこの夏に生まれます。立派な大人に近づいてきたミホを見ると、少しさみしいような、でもとても嬉しく、これからも見続けて行きたいなぁと思うのです。


ちなみに、ミホは飼育員さんの言葉を2つ理解しています。
「上だよ、上!」と言われると、お立ち台の東屋に登ります。リンゴタイム中にやりますので、訪問される方はぜひ見てみてください(^ ^)

もう1つは「おチビ」。
名前が付く前に呼んでいた、ミホのもう1つの名前です。
ミホという名が付いても、飼育員さんの中ではずっと「おチビ」、そしてミホの中でもずっと「おチビ」が名前だったようです。
飼育員さんが「おチビ〜」と呼ぶと本当にミホがやってきます(笑)
わたしもおチビって呼んでいいですか?と聞いたら、笑顔で「ダメ!」と言われました^_^;


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日本平動物園でグングン成長中の「おチビ」こと「ミホ」に、ぜひ皆さんも会ってみてくださいね(^^)/

動物園の役割

わたくし、レッサーパンダ王国こと(?)静岡県に住んでおりましたが…

実家はレッサーパンダの聖地がある、あの県なのです。

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この子はサラちゃん。
おわかりですね、茶臼山動物園です。

茶臼山動物園は、ログハウスのような室内に0〜1歳児とベテラン夫婦、そして屋外はレッサーパンダの森と名付けられた放飼場にその他の子達が暮らしています。

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先日、レッサーパンダの森の設計に携わった方の本を買いました。
まだパラパラと読んだ程度ですが…動物たちが暮らす場所を、いかに野生と同じに近づけられるか、がテーマであります。

最近の動物園の展示方法は行動展示という方法が使われており、動物の「動き」を見せるための設計や取り組みを行う動物園が増えています。
旭山動物園のアザラシの水柱型水槽なんかが行動展示のいい例ですね。アザラシは縦に泳ぐのが得意なのと、好奇心旺盛なので、好んで水柱型水槽を泳ぐのだとか。
茶臼山動物園もレッサーパンダのログハウスの中は橋がかけられていますね。あれも行動展示だと思います。

レッサーパンダの森は、レッサーパンダが暮らすヒマラヤの森をイメージして作られたそうです。
茶臼山の辺りの山深く美しい景色を背景にできるよう工夫したり、山にありそうな倒木の一部を置いたり…。


動物園は動物を見に行くところ、というだけのイメージがあるかもしれませんが、動物の暮らす環境や実際の生態を知ることもこれからは大事になってくると思います。

野生に生きる動物たちの姿を見て、私たちニンゲンは何を考えるでしょうね。
可愛いだけじゃない、珍しいだけじゃない、動物の姿を捉えられる。そんな動物園が増えて行くといいなぁと思います。
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